カウネットモニカ事務局：“お困りごと” の解決策はどう考えたのですか？

タヌキさん（企画）：ファイルやカタログを立てて収納した時に、たわんで曲がることが倒れる原因でした。なので、ファイルやカタログなどを自立させれば解決できると考えました。まず、ファイルやカタログなどの横倒れを防止する商品としてメジャーなブックエンドに着目。色々なタイプのブックエンドを集めてきて、どんなタイプなら横倒れしにくいかなどを調べました。ところがカタログなど重さのあるものは何冊か並べるとどのタイプのブックエンドを使っても横倒れしてしまうんです。方法を変えてブックエンドを複数並べてみたのですが、結果は同じでした。ブックエンドでは、カタログのような重さのあるものの横倒れを抑えることはできませんでした。

カウネットモニカ事務局：早速、行き詰まってしまったんですね。

タヌキさん（企画）：ただ、集めたブックエンドのなかに、書類棚と接する面にすべり止めシートがついたタイプがあるのを見つけたんです。「このすべり止めシートをそのまま書類棚につけてはどうだろう」とひらめきました。

カウネットモニカ事務局：書類棚につけるすべり止めシートですか？　いまいち想像がつかないですね。

タヌキさん（企画）：そう言われると思いました（笑）。
企画会議でも同様の指摘をされると感じたので、事前に開発担当の豆柴さんに協力してもらって、いくつかのサンプルを用意しました。実際にファイルやカタログをたくさん並べても倒れないかどうかなど、通常は開発段階で行う実験を企画会議の前に行いました。その結果、「ファイルやカタログが自立するから、倒れない」という最良のサンプルを持って、企画を通すことができました。

カウネットモニカ事務局：このシートはサイズにも理由があるのでしょうか？

豆柴さん（開発）：横幅は、50cm、75cm、85cmの3サイズ。これは皆さんの職場によくあるキャビネットや書類棚の幅に合わせたので、すぐに決まりましたね。問題は奥行き幅です。

奥行き幅が狭いとファイルやカタログを支えきれずに倒れてしまうため、ある程度広くする必要があるんです。最初は幅が広ければ広いほどいいと考えたのですが、シートの幅を書類棚の奥行き幅に合わせるとファイルの背表紙がシートの溝に乗り上げてしまい、かえって自立しないことが分かりました。

そのため、奥行き幅を少しずつ変えて、ベストなサイズを検討することにしました。並べるファイルやカタログも、まっすぐ立てたり、斜め45度に傾けたり…いろいろな場面を想定してたどり着いたのが、奥行き幅16cmなんです。

カウネットモニカ事務局：地道な苦労があったんですね。

豆柴さん（開発）：そうなんです！
でも、そうして導き出した「16cm」には思わぬ副産物もあって。比較的短いので、書類棚に＜ファイル用 たおれんシート＞を敷いてファイルやカタログを並べると、シート自体が隠れるので、目立たないんです。ですが、せっかくなので、シートの色は職場で浮かないグレーにしました。

カウネットモニカ事務局：グレーにしたいというのは、企画担当のタヌキさんの希望でもあったようですね。

豆柴さん（開発）：実はタヌキさんは企画が通った後すぐに産休に入っていたので、僕はタヌキさんがグレーを希望していたことを知らなかったんです。でも後でグレーを希望していたと聞いて、二人三脚でサンプルを試作した苦労から以心伝心したのかなとうれしくなりました。

カウネットモニカ事務局：実際に愛用している皆さんからは、「雪崩が起きず、溝に合わせてファイルが立つので驚き！」「ファイルがすっきり立つようになり、見栄えがよくなった。空いたスペースを有効活用したい」「ファイルがそれぞれ独立して取り出しやすくなった」といった、喜びの声が多数届いています。

書類棚に敷くだけで、ファイルやカタログが自立して収納効率が高まる＜ファイル用 たおれんシート＞は、「縁の下の力持ち」的存在。オフィスはもちろん、ご家庭の書類棚でもいい仕事をしてくれそうです。