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  修正テープの保管や在庫管理が効率的に。取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ

カウネットモニカ発 「カウコレ」プレミアム新商品誕生 商品開発 ストーリーカウネットモニカ発 「カウコレ」プレミアム新商品誕生 商品開発 ストーリー

カウコレプレミアム<第39回>「インクルーシブデザイン」の視点で、定番人気シリーズが開けやすく、取り出しやすく、ブラッシュアップ! 修正テープの保管や在庫管理が効率的に。

今回紹介する商品はこちら
取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ

取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ

商品番号:7392-3268、7360-6949、7371-1346、7371-1353、7360-6956、7371-1360、7371-1377、7371-1384
持ちやすいペンタイプの修正テープが、さらに改良を重ね、取り出しやすい箱入りで登場。詰め替えカートリッジも、同シリーズの箱入りでラインナップ。ジッパー部分を開封するとオープンボックスとなり、そのままレターケースに保管可能で、取り出しやすく、在庫もひと目で分かりやすい!

私たちが担当しました!

企画担当

<企画担当>
ポメラニアンさん

おすすめの「カウコレ」プレミアム商品:
棚板に吊り下げられる書類収納トレー
得意料理:グラタン
開発担当

<開発担当>
フェレットさん

おすすめの「カウコレ」プレミアム商品:
取り出しやすい修正テープ
得意料理:広島風お好み焼き

<取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ>

カウネットモニカ会員とリードユーザーの皆さんがここで商品作りに参加してくれました!

流れ流れ

※リードユーザーとは、障がいがある方をはじめとした社会のバリアに阻まれている方々の中で、製品をよりよい状態にするために導いてくれる対象・開発の参加者を示します。

「レターケースに雑然と保管されている」「在庫がわかりにくい」という、修正テープの収納や在庫管理に関する “お困りごと” から端を発した今回の企画。2023年からコクヨが展開する「インクルーシブデザイン」の手法を取り入れつつ、カウネットが得意とする丁寧なものづくりで、多くの方のニーズを満たす商品が誕生しました!

アンケートとヒアリングで、修正テープの保管状況を徹底調査。
浮き彫りになった “お困りごと” とは?

アンケートに回答ヒアリング

カウネットモニカ事務局:文字や書き損じを塗りつぶせる便利な修正テープ。いまや100均やコンビニなどでも手軽に購入でき、選ぶのに迷ってしまうほど種類も豊富です。今回紹介する<取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ>は、持ちやすいペンタイプで「取り出しやすい箱」に入った新商品。企画の背景を教えてください。

ポメラニアンさん(企画担当):修正テープに関する “お困りごと” を探ろうと思ったのがきっかけで、まずはカウネットモニカのアンケートや職場訪問、ヒアリングを重ね、修正テープの保管状況を調査しました。すると、レターケースに収納している方が過半数を占めていることが判明。また、写真投稿アンケートでは、本体と詰め替えカートリッジがごちゃ混ぜで引き出しに入っている事例が多く寄せられました。そこで、「いざ使うときに探すのが大変」「見た目にも雑然とし、在庫管理がしにくい」という “お困りごと” があるのではと仮説を立てました。

  • 「声をカタチに委員会」に投稿された写真。引き出しの中に修正正テープがごちゃっと入っていて、残数がわかりにくい。
    「声をカタチに委員会」に投稿された写真。引き出しの中に修正テープがごちゃっと入っていて、残数がわかりにくい。

カウネットモニカ事務局:“お困りごと” の仮説をもとに、どんな解決策を考えたのでしょうか?

ポメラニアンさん(企画担当):本体と詰め替えカートリッジがそれぞれ、5個とか10個とか箱に入っていて、その箱ごときれいにレターケースに収納できる修正テープがあったらいいなと考えました。箱に入っているからごちゃ混ぜにならず、中身が取り出しやすいし、パッと見て在庫を確認しやすい。この解決策を実現できるのはと考えた時、既存の「取り出しやすいシリーズ」が頭に浮かびました。

すでに定番の人気シリーズをどう進化させる? 
さらなる付加価値を求める、カウネットの企画力

アンケートに回答

カウネットモニカ事務局:「取り出しやすいシリーズ」というのは、カウネットで人気を伸ばしている定番のシリーズですね。

ポメラニアンさん(企画):はい! 同シリーズは、認知率61.2%、未購入者の購入意向率83.7%、多少割高でも購入したい率30.6%というカウネットモニカのアンケート結果からも、皆さんに支持されているのがわかります。「取り出しやすいシリーズ」で行こう! と心に決めました。

  • グラフ

カウネットモニカ事務局:取り出しやすい箱入りの修正テープという方向性が見えてきました。こだわった部分を教えてください。

ポメラニアンさん(企画):一つは、多くの皆さんが修正テープの収納場所にしている、レターケースにぴったり収まるサイズ感です。本体と詰め替えカートリッジを箱ごと横並びにして、レターケースの横幅に収まることを重要視しました。
二つめは、引き出しを開けた時に文字が見やすく、本体か詰め替えカートリッジかをパッと見て識別できることです。箱のミシン目で切り離す上半分と、残る下半分で記載の文字を反転させたデザインがいいのではないかなど、手探りの中、熟考を重ねていきました。

  • 修正テープ本体と詰め替えカートリッジを横並びにして、レターケースに収まるサイズ感。識別しやすく、取り出しやすい!
    修正テープ本体と詰め替えカートリッジを横並びにして、レターケースに収まるサイズ感。識別しやすく、取り出しやすい!

カウネットモニカ事務局:レターケースに美しく収納でき、在庫管理がしやすい、取り出しやすい修正テープという企画ですが、社内での反応はどうだったのでしょう?

ポメラニアンさん(企画):「取り出しやすいシリーズ」で発表するなら、「インクルーシブデザイン」の手法を取り入れて、より多くの皆さんにとって「取り出しやすい箱」を開発するのはどうかという提案がありました。
コクヨでは、2023年より、さまざまなユーザーを想定した「インクルーシブデザイン」を取り入れたモノづくりを展開。できるだけバリアを少なくし、誰もが自分らしくいられる社会を目指す取り組みを「HOWS DESIGN」と称し、カウネットも賛同しています。近年注目されているインクルーシブ社会を実現するべく、「取り出しやすい箱入りの修正テープ」という商品の方針が固まりました!

「対話」に重きを置く「HOWS DESIGN」のものづくりがスタート。
思いもよらぬ新たな “お困りごと” に遭遇

ワークショップ

カウネットモニカ事務局: いよいよ、<取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ>の開発が始まります。「HOWS DESIGN」のものづくりは、どのように進めていったのでしょうか?

フェレットさん(開発):まずは、既存の「取り出しやすい箱」の見直しに着手しようと、2回のワークショップとヒアリングを行いました。
従来の箱は中央に「OPEN」部分があり、そこを指で押し込んでタブをつまみ出し、左右にミシン目を破って開ける仕様です。最初のワークショップでは、実際に手指の不自由なリードユーザーの協力を得て、従来の箱を開けてもらいました。結果、「開け始めがわかりにくい」という声が。さらに、中央の「OPEN」タブを引っ張り出して左右に開けるのは難しく、途中でちぎれてしまうという事例も見られました。

  • 既存の箱は、開けるためのスタート位置も開ける方向もわかりにくい。開封中にジッパーがちぎれることも。
    既存の箱は、開けるためのスタート位置も開ける方向もわかりにくい。開封中にジッパーがちぎれることも。

カウネットモニカ事務局: 従来の「取り出しやすい箱」は「開けにくい」という “お困りごと” が浮き彫りになったわけですね。

フェレットさん(開発):そうなんです。そこで、 “お困りごと” を解決するための試作品を作成しました。お菓子のパッケージを参考にしたのが、「OPEN」の位置を左端に変え、そこからスタートして一方向にぐるりと開ける仕様です。ジッパーの太さもさまざま用意し、試作品を検証してもらうため、再度ワークショップを実施しました。
すると、一方向にひっぱり、ジッパーは太いほうが開けやすいという結果に。
ただ、ジッパーを太くすると、その分、箱表面の情報を記載するスペースが狭くなるので、絶妙な太さに調整し、最終モデルである現在の仕様にたどり着きました。

リードユーザーを行動観察して「見つけた」潜在的な “お困りごと” 。
「気づき」を生かした改善点とは?

ヒアリング

カウネットモニカ事務局: 「OPEN」部分は、紙が2重になっているのが特徴ですね。

フェレットさん(開発):はい。ワークショップで、箱を開ける動作を観察したところ、箱の面が重なり2重になった部分は、開けるときにより力が必要だという気づきがあったんです。そこで、改良した箱は、面を左端で重ねる仕様にし、2重になったところに「OPEN」をおきました。あまり行われない方法ですが、開けやすさを最優先! つまみやすく、力が入りやすくなりました。

  • ミシン目から、軽い力でちぎれる形状に変更。スタート位置を変更することでつまみやすさが向上。
    ミシン目から、軽い力でちぎれる形状に変更。スタート位置を変更することでつまみやすさが向上。

カウネットモニカ事務局:マゼンタ色も目を引きますね!

フェレットさん(開発):ここから開けるというのをアピールするため、箱のベースカラーとは反対色を選び、「OPEN」が目に飛び込んでくるよう改良しました。

カウネットモニカ事務局: 細部のデザインはどう決めたのですか?

フェレットさん(開発):パッケージデザインや色調などは色覚特性のあるリードユーザーへのヒアリングで最終決定しました。箱はジッパー形状のミシン目で開けて、上半分を切り離すと、中身が見え、取り出しやすく在庫管理がしやすい設計になっています。
例えば、「修正テープ本体の箱は青、詰め替えカートリッジの箱は緑と色を変えるのはどうか」という問いに対しては、「統一感がない」という声が挙がりました。「本体とカートリッジ、どちらか迷ってしまう」という声もあったため、色調を合わせることにしました。
パッと見てわかりやすいよう、ジッパーで切り離される上部分と残る下部分を、白×青のコントラストで表現しました。

今までの商品開発+αで、多様な皆さんの声を取り入れる。「インクルーシブデザイン」が持つ無限の可能性
ワークショップ ヒアリングアンケートに回答

カウネットモニカ事務局: 文字にもこだわりが見られます。

フェレットさん(開発): これはポメラニアンさんの考えをかたちにしたもので、レターケースに収納した際に、見やすいように文字は上部分と下部分で反転させています。
文字やイラストにもこだわり、本体とカートリッジを識別しやすいよう工夫しました。
とくに、箱に記載する情報はカウネットモニカでアンケートをとり、抜け漏れがないようにしました。コクヨのデザイン方針を踏襲し、ユニバーサルデザインフォントを使い、文字は見やすく、本体・カートリッジといった強くアピールしたい部分は目を引く文字を選んでいます。色調は同じにしつつ、文字の種類や大きさで情報に強弱をつけたのもこだわりです。

  • 白×青のコントラストに強弱をつけた文字使いで、見やすさを向上。箱のデザインを一部反転させているから、取り出すときに中身がわかりやすい!
    白×青のコントラストに強弱をつけた文字使いで、見やすさを向上。箱のデザインを一部反転させているから、取り出すときに中身がわかりやすい!
  • レターケースに本体2箱、カートリッジ2箱が収納できる。引き出しを開けると、イラストが目に入るので識別しやすいのもポイント!
    レターケースに本体2箱、カートリッジ2箱が収納できる。引き出しを開けると、イラストが目に入るので識別しやすいのもポイント!
  • グラフ

カウネットモニカ事務局: 修正テープ本体も改良したんですね。

フェレットさん(開発):本体に関しては、修正テープに記載してほしい情報をカウネットモニカのアンケートから拾いました。なかでも、テープの幅は約半数の方が記載してほしい情報に挙げていたので、「5ミリ幅」が目立つよう、大きくスタイリッシュな文字にしています。中身が見える「窓」を設け、テープ残量がわかるようにしたのもポイントです。

  • 修正テープ本体は、握りやすいペンタイプ。「5ミリ幅」を大きく表示。「窓」からテープ残量が確認できます。
    修正テープ本体は、握りやすいペンタイプ。「5ミリ幅」を大きく表示。「窓」からテープ残量が確認できます。

カウネットモニカ事務局:新たな取り組みである「HOWS DESIGN」の商品開発を振り返って、苦労した点はありますか?

フェレットさん(開発):「取り出しやすい」と思っていた箱が実は開けにくいとか、ジッパーが途中でちぎれてしまうとか。まだまだ新たな課題があることに気づかされながらの開発となりました。リードユーザーの皆さんの動作を観察し、声に耳を傾けることで、これまで定番として流通してきたカウコレプレミアム商品の思いもよらない改善点が見えてくるというのは、大きな学びとなりました。これからも皆さんと「対話」を重ね、バリアフリーなものづくりをしていきたいです。

カウネットモニカ事務局:一般ユーザーの “お困りごと” に加え、多様な皆さんが抱えていた潜在的な “お困りごと” を解決する、<取り出しやすい修正テープ 詰め替えタイプ>が完成しました。ヒアリングやアンケートで裏付けをとる。ワークショップでリードユーザーを観察し、そこで得た気づきを改善し、検証を重ねる。商品開発の流れは、これまでカウネットが培ってきたノウハウそのものです。リアルな 「今」 をキャッチし、丁寧なものづくりを進めてきたからこそのなせる技。今後、インクルーシブの波をとらえ、新たな価値をどう見出すか、カウネットの挑戦はまだ始まったばかりです!

  • 白×青のコントラストに強弱をつけた文字使いで、見やすさを向上。箱のデザインを一部反転させているから、取り出すときに中身がわかりやすい!
矢印

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